ÉTAT HER

『Deus Ex』の生みの親 Warren Spector氏、引退を発表 心残りの未完成企画は3本

70歳の『Deus Ex』クリエイター、Warren Spector氏がLinkedInで開発現場からの引退を発表した。業界歴44年目を迎える中、心の中には手がけたかった作品が3本残っているというが、ゲーム業界そのものが変わってしまったと語る。

『Deus Ex』の生みの親 Warren Spector氏、引退を発表 心残りの未完成企画は3本

「単刀直入に言おう。引退することにした。」Warren Spector氏がLinkedInの投稿で綴った第一声だ。前置きも感傷的な修辞もない。しかし続く段落で、彼自身が早くも疑問符を投げかける——「少なくとも自分ではそう思っている。以前も気が変わったことがあるが、今回はかなり確信している。」

8月17日夜に投稿されたこの文章は、70歳のゲーム人が舞台から退くことを告げるものとなった。Spector氏は『Deus Ex』の生みの親であり、2000年に世に送り出されたこのアクションRPGを自ら監督・制作し、シリーズ後の世界観の礎を築いた。それ以前には『Ultima』シリーズ6作品と『Wing Commander』3作品に携わり、『Underworld Ascendant』ではクリエイティブ・アドバイザーを務めた。現在の肩書はOtherSide Entertainmentのスタジオディレクターで、2016年の入社以来この職に就いている。

投稿の中でSpector氏は、あと1ヶ月で業界歴44年目に突入すると触れ、「当初やりたかったことはやり遂げたと感じている」と述べた。年齢と「自分自身のこと」——具体的には言及されていない健康状態——を今回の決断の要因として挙げている。しかしこの投稿に重みを持たせているのは、続く率直な告白だ。「正直、この件については複雑な気持ちだ。本音を言えば、心の中にはどうしても手がけたかったゲームが3本ある——ひとつは大作、ひとつは小規模なもの、そしてもうひとつはどう作ればいいのか分からず、少し怖さすら感じるものだ。」

この言葉には余計な形容詞は一切ない。それでいて、どんな公式声明よりも引退という決断をリアルに伝えている——才能が尽きたゆえの別れではなく、未完の思いがあると知りながら、それでも手放すことを選んだのだ。彼が挙げた理由は率直だった。「ゲーム業界は変わってしまった。自分にとってはもう以前ほど楽しくない。それに、次の世代の開発者たちにも自分たちの舞台があってしかるべきだ。」

とはいえSpector氏は、完全に扉を閉ざしたわけではない。投稿の締めくくりにはこう記されている。「戻ってくることはあるか?永遠にないとは言わない。でも、そろそろ馬に乗って夕日に向かう時が来たと思う。」——余地を残した別れの言葉であり、閉ざされた扉ではない。

Spector氏の引退の知らせは現時点で本人のLinkedIn投稿のみで確認されており、OtherSide Entertainmentや関連プロジェクトの今後について公式な説明はまだ出ていない。

関連記事

注目ポイント|Brandon Flowers、ブリストル公演でThe Coralをカバー 未発表新曲も初披露
Culture

注目ポイント|Brandon Flowers、ブリストル公演でThe Coralをカバー 未発表新曲も初披露

要点を整理すると、Brandon Flowersがブリストルでのソロ公演でThe Coralの名曲〈Dreaming Of You〉をカバー。さらに未発表新曲〈A Good Man Is Hard To Find〉を初披露し、次回作の方向性を明かした。

注目ポイント|Bon Jovi、14年ぶりにBST Hyde Parkへ帰還 2027年6月24日に二度目の頂点へ
Culture

注目ポイント|Bon Jovi、14年ぶりにBST Hyde Parkへ帰還 2027年6月24日に二度目の頂点へ

要点を整理すると、Bon Joviが2027年BST Hyde Parkの最初のヘッドライナーに決定。2013年の第1回封閉ステージからちょうど14年、チケットは10月23日発売開始。

注目ポイント|Harry Styles、ツアードキュメンタリーの監督にJohn Wilsonを起用 MSG公演の撮影は既にスタート
Culture

注目ポイント|Harry Styles、ツアードキュメンタリーの監督にJohn Wilsonを起用 MSG公演の撮影は既にスタート

要点を整理すると、Harry Styles《Together, Together》ツアーのドキュメンタリーを、《How To With John Wilson》のジョン・ウィルソン監督が手がけると報じられた。8月からニューヨークMSG公演の現場で撮影を開始しており、劇場公開も予定されているという。

注目ポイント|The Cribs、10年ぶりの凱旋ライブで『Men's Needs, Women's Needs, Whatever』発売20周年を完全再現
Culture

注目ポイント|The Cribs、10年ぶりの凱旋ライブで『Men's Needs, Women's Needs, Whatever』発売20周年を完全再現

要点を整理すると、The Cribsがウェイクフィールドのタイルヤード・ノースで2007年作『Men's Needs, Women's Needs, Whatever』を完全再現ライブとして披露する。共演は¡Forward, Russia!で、10年以上ぶりとなるバンドの地元凱旋公演となる。

注目ポイント|Radio Free Alice、1本のプレイリストでメルボルンの交友関係を描く、新作は月末に真価問われる
Culture

注目ポイント|Radio Free Alice、1本のプレイリストでメルボルンの交友関係を描く、新作は月末に真価問われる

要点を整理すると、オーストラリアのインディーバンドRadio Free Aliceが「NME The Cover」に登場。「Melbourne Friends」と題したプレイリストを企画し、同郷のDumbhead、Rain Dogs、HighSchoolらを収録。10月30日発売のデビューアルバム『What's In Between』と呼応する内容となっている。

LVメンズコレクションのランウェイを本棚へ:初のメンズウェアCATWALK本
Culture

LVメンズコレクションのランウェイを本棚へ:初のメンズウェアCATWALK本

Louis Vuittonは、2026年11月5日にThames & Hudsonより初のメンズウェア特化CATWALKシリーズ書籍を発売すると予告した。約30年に及ぶランウェイ映像と5人のデザイナーの創作の軌跡をまとめ、時代と文化の変遷とともに進化してきたブランドのメンズ美学を提示する。