アカデミー賞監督賞を受賞したばかりの映画作家が、観客席に紛れ込んで自らカメラを回す——それがCameron Winter『Live At Carnegie Hall』で最も興味深い光景だ。ポール・トーマス・アンダーソン監督によるこのコンサート映画は、Geeseのフロントマンが昨年12月11日にニューヨークのカーネギーホール、アイザック・スターン・オーディトリアムで行ったソロ公演を記録したもので、第64回ニューヨーク映画祭(9月25日〜10月12日)でワールドプレミアが行われ、第70回BFIロンドン映画祭(10月7日〜18日)で英国プレミアが上映されることが決定した。
この公演はGeeseの北米ツアー後に行われたもので、Winterはピアノ伴奏の形式で2024年のソロアルバム『Heavy Metal』収録曲を再構築して披露した。映像はすべて35mmと16mmフィルムで撮影されている。当日会場では、〈Nina + Field Of Cops〉演奏中にアンダーソン自身がカメラを操作している様子が観客によって撮影され、本作のプロデューサーであるベニー・サフディもそばで手伝っていたという。さらに、公演中ずっと2階のボックス席に固定されていたカメラも1台あったとされる。
同じカーネギーホール公演は、ライブアルバムとしても発売される。Winter初のライブアルバム『Live At Carnegie Hall』は10月9日にPartisan RecordsとPlay It Again Samから発売予定で、録音・プロデュース・ミックスはAriel Rechtshaidが担当。同氏はこの映画のサウンドトラック制作も手がけている。
アンダーソンはこれまでRadiohead、The Smile、Haimのミュージックビデオを手がけており、最新の長編監督作『One Battle After Another』は今年のアカデミー賞で作品賞と監督賞を受賞している。Winterが今年初めにロンドンのラウンドハウスで行ったソロ公演もNMEから5つ星評価を獲得し、「未来のスターとしての力、才能、カリスマ性を備えている——たった一つの声とピアノだけで、世界全体を支えられるほどだ」と評された。
現在もWinterはGeeseとしてツアーを継続中で、バンドのアルバム『Getting Killed』も同様にNMEから5つ星評価を受け、同メディアの年間ベストアルバムの首位に輝いた。バンドは最近グラスゴーで2日連続のソールドアウト公演を開催し、ドリー・パートンへのトリビュートと〈Disco〉のライブ初披露を行った。今後はReading & Leeds 2026とEnd of the Roadフェスティバルで初のヘッドライナーを務める予定だ。