Battersea Power Station内にオープンする新会場の収容人数はわずか600人だが、こけら落としを飾るのはElton John。9月28日月曜日、彼はロンドンにあるAppleが手がけた新スペース「Apple Music Hall」で初公演を行い、「小規模クラブのスケール感と大規模会場級の制作能力」を掲げるこの会場を正式にオープンさせる。
誰が出演するかよりも注目すべきは、Apple Music Hallが公開した会場スペックそのものかもしれない。会場内には幅38フィートの再構成可能なステージが設置され、スピーカー48本によるSpatial Audioシステム、さらに専用のレコーディング・ミキシングルーム2部屋を備える。配線は16台以上のカメラに対応でき、独自の放送コントロールルームも設置されており、公演を収録して世界に生配信することが可能だ。600人というキャパシティに対してこのスペックとなると、会場自体の機能はもはや音楽ホールというより小型のテレビ局に近い。
Elton Johnの「Farewell Yellow Brick Road」ツアーは2023年7月、ストックホルムのTele2 Arenaで300公演以上を経て幕を閉じた。彼はツアーからの引退を「世界で最も素晴らしいこと」と表現していた。だがそれから2年以上、彼のスケジュールが本当に空いたことは一度もない。2024年10月にはDua Lipaのロイヤル・アルバート・ホールでのオーケストラ公演にサプライズ出演し、「Cold Heart」をデュエット。昨年3月にはBrandi Carlileとロンドンのパラディアム劇場で公演を行い、2人のコラボアルバム『Who Believes In Angels?』を発表、「Tiny Dancer」「Your Song」「Bennie And The Jets」などの名曲も披露した。翌月には2人揃って『Saturday Night Live』にも出演。シンガポールグランプリではゲストパフォーマーを務め、ロックの殿堂授賞式ではBrian Wilsonへの追悼として「God Only Knows」をカバー、その後はブラジルのRock In Rioのステージにも立った。Apple Music Hallの開幕公演は、この「引退後のスケジュール」の最新の1ページであって、最後のページではない――彼はすでに、コロナ禍で延期となっていたメキシコシティでの2公演を10月2日と3日に振り替えることを発表している。