感謝の言葉で埋め尽くされた一通の手紙、しかしその内容は告発そのもの——これこそがUgly Oats KitchenのオーナーMary Chaconによる公開書簡の最も痛烈な点だ。彼女はまずOlivia Rodrigoが「安全で歴史的な意義のある」イベントを開催したことに感謝し、参加できたことは「光栄なこと」だったと述べる。だが一転、これが自身のビジネスにとって「経験した中で最悪の一日」だったと綴っている。
Daisy Chain FieldsはRodrigoが初めて開催する音楽フェスで、90年代のLilith Fairにインスピレーションを得たもの。8月末、カリフォルニア州IrvineのGreat Parkで1日限りのイベントとして開催され、出演陣にはChappell Roan、Bikini Kill、Doechii、Garbageが名を連ねた。開催前、主催者側はBaby2Baby、Black Mamas Matter Alliance、Center For Reproductive Rights、Planned Parenthoodなど複数の非営利団体に1000万ドルを寄付すると発表。イベント終了後にはMelinda French Gatesが同額を上乗せして寄付し、総寄付金額は2000万ドルに達した。
ChaconはInstagramに投稿した公開書簡の中で、イベント終了から「2日後」にRodrigoのチームに連絡を取ったものの、未だに自身が受け取るべき売上金が支払われておらず、「契約違反だ」と述べた。公表すべきかどうか、自社の評判への影響を懸念しながらずっと迷っていたが、最終的に声を上げることを決意し、返答を求めていると語った。
手紙によれば、主催者側から食品が売り切れた場合には罰金が科されると告げられたため、彼女は数千枚のクッキーを焼き、在庫を十分に確保するために自身のベーカリーを一時的に閉店させたという。その後、約1400ドルの費用を支払うよう求められ、さらに売上の35%を音楽フェス側に納めることになった——彼女はこのコストが数千ドルに上ると試算している。
運営面の問題も指摘されている。会場設営に関する情報を出発の数時間前にしか受け取れず、搬入に支障をきたしたという。また、開催直前には急遽大量の物資購入を求められた。現地に着くと「ほとんど客を見かけなかった」と彼女は振り返り、観客の中にはそのエリアにフードブースがあること自体を知らない人もいたと聞いたという。Chaconは「DLSはデザート系のブースを発注しすぎた一方で、メインディッシュ系のブースは不足しており、出店者も観客も困惑させる結果になった」と指摘する。また、スタッフたちはどこで食事や水を得られるのか把握しておらず、チームの一人が熱中症で嘔吐したにもかかわらず、まともな食事を補給できる場所が見つからなかったとも述べている。
「これはUgly Oatsを始めて以来、私とチームが経験した中で最悪の一日だった」と彼女は綴る。「このイベントで被った損失を取り戻すには、何カ月もかかるだろう」。それでも彼女は招待されたこと自体は光栄だったと述べ、特に2027年に再び音楽フェスが開催される可能性がある今、「現場で働く女性起業家たちのリアルな実情」を世に知ってもらいたいと願っていると語った。
NMEはChaconの告発についてDaisy Chain FieldsおよびRodrigo側の代理人にコメントを求めたが、現時点では回答が得られていない。音楽フェス当日、Rodrigoのヘッドライナーステージには Stevie Nicks、Alanis Morissette、Sarah McLachlanがゲストとして登場し、〈Landslide〉〈Ironic〉〈Building A Mystery〉〈Angel〉を共演した。NMEはこのパフォーマンスに星4.5の評価を与えている。イベント終了後、Rodrigoはすでにワールドツアー「Unraveled」をスタートさせており、初日の会場はコネチカット州だった。