愛媛県大洲市のNIPPONIA HOTEL大洲城下町は2020年に開業し、城下町に残る歴史的建築を順次、客室やレストラン、受付空間、文化体験の拠点へと転用してきた。単一の建物に機能を集約する経営方式ではなく、「町全体が一つのホテル」というコンセプトを掲げ、宿泊や食事、街歩きの体験が複数の場所に分散して行われる形を取る。2023年7月に第四期開業を終え、ホテルの規模は26棟・31室にまで拡大したが、この数字は2023年の拡張段階に対応するものであり、2026年時点の即時の客室数として扱うべきではない。
宿泊棟の間にはどんな違いがあるのか?
公式資料によれば、これらの建物には明治期の豪商の邸宅や、旧倉庫を改装した宿泊棟が含まれる。それぞれの建築が元々持つ間取りや用途が異なるため、旅行者は庭園の眺め、城の景観、一棟貸しであるかどうか、あるいは部屋の間取り条件に応じて宿泊棟を選ぶことができる。ただし、すべての棟が同じ設備を備えているわけではなく、実際の違いは個々の部屋タイプの説明に基づいて確認する必要がある。
こうした分散型の改装は、倉庫の梁や柱の構造、邸宅の庭園の配置など、建物本来の空間の痕跡を残しており、画一的な規格の客室を備える一般的な新築ホテルとは異なる。部屋を選ぶ際に理解すべきなのは、選んでいるのが部屋の広さだけでなく、その建物自体の歴史的背景や街の中での立地も含まれるという点である。
チェックインと移動の動線はどうなっているのか?
どの宿泊棟に割り当てられた旅行者であっても、まずはOKIのフロントでチェックイン手続きを行わなければならない。住所は愛媛県大洲市大洲378。チェックイン時間は15時から20時までで、20時を過ぎて到着する見込みの場合は、事前にフロントへ連絡するよう公式に案内されている。そのため、到着予定時刻は予約の際にあわせて確認しておくべき事項となる。
手続きを終えた後も、旅行者は自力で、あるいは補助を受けながら、それぞれの宿泊棟まで移動する必要がある。多くの建物はフロントから徒歩1~2分程度と近いが、SADAとMITIの2棟は徒歩約10分かかり、すべての部屋タイプが受付の近くにあるわけではないことを意味する。この違いは、到着当日のスケジュール、特に荷物が多い場合やチェックイン時間の上限に近い場合に直接影響する。
宿泊以外の街とのつながりの仕組み
大洲では、大洲城泊まる城(Ozu Castle Stay)や大洲旅のパスポート(Ozu Passport)といった仕組みを通じて、宿泊と城内の他の文化資産や街での消費とをつなげている。こうした設計により、旅行者の行動範囲は客室内にとどまらず、街の他の拠点へと広がっていき、ホテルが町全体を経営の場として捉えるコンセプトと呼応している。
大洲での宿泊を計画する際には、実際に割り当てられる宿泊棟、部屋の設備、そして受付から客室までの移動手段という3点をあわせて確認するとよい。城下町の魅力は建物それぞれに個性がある点にあり、それはつまり、ある庭園や城の眺めの写真を見たときには、それがどの部屋タイプに属するのかを確かめるべきであり、ホテルのすべての部屋が同じ眺めを持つと決めつけるべきではないということでもある。
OKI宿泊棟。旅行者がチェックイン手続きを行う受付の場所でもある。 画像: NIPPONIA HOTEL 大洲城下町
TUNE宿泊棟。旧料亭の和風建築の趣を残している。 画像: NIPPONIA HOTEL 大洲城下町