空山基が若い頃パイロットを目指していたことは、あまり知られていない。「セクシーロボット」で国際的に名を馳せる日本人アーティストである彼は、2019年にディオールの2020年春夏メンズコレクションで高さ12メートルの鏡面ロボット彫刻を制作したほか、F1ドライバーのルイス・ハミルトンのために専用ヘルメットもデザインした。そんな彼が今回待ち受けていたのは、ランウェイではなく、エアバスA350-1000という一機丸ごとのフラッグシップ広胴機だった。スターラックス航空「STARLUX AIRSORAYAMA」金銀ツインジェットは7月12日に正式就航し、張國煒会長自らが操縦して東京へ飛んだ。空山基本人も東京でこの作品を検収し、自身のキャリアにおいて最大規模の作品だと語った。

「単に飛行機を金と銀に塗るだけの話ではありません。その裏には、非常に多くの労力が注がれています」と張國煒会長は語る。この機体の誕生は、台湾のスターラックス航空、フランスのエアバス、日本人アーティスト空山基、そしてアメリカのカラー機関Pantoneという4者の協力によって実現した——このリストだけでも、単純な塗装コラボではないことがわかる。

メタリック塗料を使わずに、どうやって金属感を出すのか

空山基が創作において最も重視してきた2つの色は金と銀であり、今回彼が求めた効果は「100%の輝き、直視できないほどの眩しさ」だった。問題は、航空機の塗装には機体性能に影響を与えるメタリック顔料を使用できないということだ。そこでPantoneは単なる調色にとどまらず「調光」というエンジニアリングに取り組み、このプロジェクトのために専用カラー「Airsorayama Gold」と「Airsorayama Silver」を開発した。鍵となる技術はマイカ効果顔料で、顔料表面に金属酸化物をコーティングし、光の反射を利用することで、光の角度によって変化する機体表面の奥行き感を作り出している。塗装全体は16人のプロの塗装職人が20日間かけて完成させた。










