「The House of Choice」と名付けられたこのイベントはKirin Ichibanが主催し、「選択」という抽象的な言葉を3つの具体的なルートに分解、それぞれがまったく異なる和食6品コースに対応する。照明は極端に落とされ、時折Kirinのゴールドの光が差し込む。会場では書道家がその場で筆を振るい、DJセットは終始レコードのみをかけていた。空間全体は標準的なファインダイニングの体裁というより、参加者全員が同じ実験に放り込まれたかのような雰囲気だった。
Kirin Ichibanはこのプロセスを、ブランドのマスコットである龍のイメージと重ね合わせる。龍は一度に全貌を現さない。自分が選んだ道を進み続けたときにだけ、少しずつその姿を見せていく。3種類のメニューは本来、会場を3つの孤立したグループに分断しかねないものだった。しかし結果は逆で、みんなの選択が違ったからこそ、話すこと、交換して食べることが増えた。これこそがこのイベントが証明したかったことだ——選択そのものに正解はなく、進んでみて初めて自分が何を選んだのかが分かる。