この家はMorimadoと名付けられている。直訳すれば「森の窓」だ。これはマーケティング用の詩的なタイトルではなく、建物全体に貫かれる唯一の設計指令である。裏庭に広がる密林を、単なる「見える背景」から、住む人が毎日出会い、動きを止められ、思わず足を止めてしまうものへと変えること。

建築家Yosuke Tomiyaは、室内をいくつものスキップフロアに分割し、天井の高いリビング、森に面した窓辺の座席、そして互いにつながるフロアによって、家族が異なる高さにいても互いを見渡し、声をかけ合えるようにしている。これらのフロアをつなぐのは、景色を切り取るフレームとしての役割も兼ねる開放的な階段だ。階段を上る動作そのものが、森に何度もピントを合わせ直す行為となる。階段の脇には埋め込み式のシェルフと手洗いスペースが備えられ、動線と生活の細々とした作業を同じ経路の中にまとめ、「通路」という純粋に機能的な空間を特別に区切ることはしていない。 光の扱い方は、この家の野心をさらに直接的に物語る。大きな開口部は森に面して開かれ、高い位置にはさらにトップライトと縦のヴォイド(空隙)が設けられ、日光を建物の奥深くまで導き入れる。それによって室内の壁面には時間の経過とともに光と影が移動していく。とりわけ記しておくべきは、あるアーチ状の開口だ。リビングの暖炉と、窓の外に広がる森を同一の画面に収めている。暖炉は火、窓の外は木々——この二つが一つの弧の中に束ねられており、家全体の中でもっとも一枚の写真のような角度になっている。







