Phoebe Bridgersのスピードについていけるかどうかで、その夜彼女と言葉を交わせるかが決まった。8月11日火曜日、彼女はロサンゼルス・グレンデールにあるMoonlight Rollerwayスケートリンクに現れ、翌日リリースされるサードアルバム『Lost Weekend』の試聴会を開いた。あるファンは後にRedditにこう書き込んでいる。「彼女、本当にみんなと一緒に滑ってた。スピードについていければ挨拶できるけど、本当に速いから結構難しいかも」。
その光景自体、どこか奇妙な違和感を放っていた。『Lost Weekend』は全16曲収録のアルバムで、NMEは「パンチを食らったような赤裸々さ」と評しているが、Bridgers自身もこの組み合わせが「weird(変)」に聞こえることは認めている。スケートリンクの床に座った約200人のファンを前にしたQ&Aで彼女はこう語った。「ずっと考えていたんです、Grouperの『Moonlight Night』みたいなイベントをやったら面白いんじゃないかって。普段はABBAとか流しながら滑るものだけど、悲しくてスローな曲を聴きながら滑ったら逆に面白いんじゃないかと思って」。
アルバムリリース前、彼女は一切取材を受けていなかったが、このカジュアルな場では制作背景について少し口を開いた。どんな作品から影響を受けたか聞かれた彼女はこう答えている。「『Lost Weekend』という映画があって、アルコール依存症者の朦朧とした感覚を描いているんですけど、それがこのアルバムとかなり通じるものがあると思います。ちょっと不幸な話ではあるんですけどね」。






