ドリアンと油條を同じ皿に盛るなんて、どう考えても話題作り狙いのゲテモノ料理にしか見えない。TonAriのメニューには「Cheese X Durian X Shanghai Baguette」(¥58)と書かれているが、実態は地元の油條にドリアンとモッツァレラチーズをのせ、オーブンで表面がカスタードのようにしっとりするまで焼き上げたもの。最初は「ドリアンの名誉のために」という気持ちで注文したのだが、食べ終わる頃にはすっかり考えが変わっていた——チーズの塩気が本来相性の悪い甘みと独特の風味をひとつにまとめ上げ、油條のサクサク感と軽やかさが料理全体の骨格を支えている。
料理はフレンチ×中華をベースに、時折スペインへも寄り道するスタイル。基本的にはワインを引き立てるための存在で、価格設定も次々と注文しやすいものになっている。付け合わせのサワードウブレッドにはドライフルーツとナッツが練り込まれており、提供も早い。Gambas al Ajillo(¥78)はストレートなガーリックシュリンプで、しっかりした味わいだが特に驚きはない。むしろ注文する価値があるのはShiso Tofu Bites(¥38)で、揚げ豆腐にスモーキーで辛みのある花椒ソースを合わせ、卓上には辛さを自分で調整できる唐辛子パウダーも添えられる。