この会食のポイントは誰がシェフを務めるかではなく、酒がどう構成されているかにある。9月12日、台北「Les Tables par Réel」の6コースディナーでは、Tesseronコニャックはデザートだけの脇役ではない。序盤のフォアグラのカスタードプリンとComposition コニャックの組み合わせから、締めのコニャック風味バーバケーキまで、コニャックの香りが全編を貫く。メインの牛フィレ肉には、Château Pontet-Canetの2002年と2017年、2つのヴィンテージが並んで登場し、同じ格付けシャトーの15年の時を隔てた違いを一度に比較できる仕掛けになっている。


腕を振るうのは、シンガポール「Les Ducs」のシェフLouisと台北「Les Tables par Réel」のシェフRaven。二人による四手連弾は今回が初めて。メニューの流れは明快で、まずヒヨコ豆のクラッカーとSturiaキャビアで食欲を刺激し、続いて香煎エビ、24ヶ月熟成コンテチーズのスフレ、ヴォロヴァン仕立ての鶏肉と野生キノコが層を成す。メインこそがヴァーティカル・テイスティングの見せ場であり、デザートはコニャックで締めくくることで、全体のロジックを原点に回帰させている。








