胃腸の不調は「何を食べたか」のせいにされがちだが、2人の栄養士はもう一つの変数を指摘する。それは「いつ食べるか」だ。スポーツ栄養士のRoxana Ehsani氏は、朝は腸が「まっさらな状態からスタートする」瞬間だと表現する。一日最初のひと口が腸の状態に直接影響を与え、その腸は肌、心臓、脳、免疫システムと密接につながっているという。Real Nutrition創設者で管理栄養士のAmy Shapiro氏は、実践面からこう補足する。朝食は長期的かつ安定的に食物繊維や多様な食材を摂りやすい食事であり、昼食や夕食に比べて接待や外食に左右されにくいのだ。

Shapiro氏は朝食で狙うべき3つの方向性を挙げる。食物繊維、発酵食品、そして多様な植物性食品だ。食物繊維の一部はプレバイオティクスとして腸内の善玉菌のエサになる。発酵食品はプロバイオティクス、つまり健康に良い生きた菌をもたらす可能性がある。果物、野菜、全粒穀物、種子類を雑多に食べるほど、養える菌の種類も多様になる。Ehsani氏はさらにオメガ3脂肪酸を挙げ、腸の炎症を抑え、消化管を守る粘液バリアを保護する助けになると考える。彼女はまた、朝食は一日のうちで炭水化物と糖分の比率が最も高くなりやすい食事だと指摘し、早い段階で食事のバランスを整えておくことが、その後一日の腸の状態に良い影響を与えると話す。同時に水分補給も忘れずに。Ehsani氏によれば、朝食時に十分な水分を摂ることは腸の蠕動運動を助け、便秘予防につながる。逆に、飽和脂肪酸や精製糖の摂りすぎは、腸の炎症増加や菌叢の多様性低下と関連しているという。

ヨーグルトからベーグルまで:2人の栄養士が実際に食べているもの
ギリシャヨーグルトは、Ehsani氏いわく「手軽で満腹感もある」選択肢。それ自体にプロバイオティクスが含まれ、ベリー類を合わせれば食物繊維と抗酸化物質もプラスできる。彼女はバナナにも言及する。特に完熟前のバナナにはレジスタントスターチが含まれ、これは大腸で発酵して善玉菌を養う一種の食物繊維だ。クルミは2人ともに勧める食材で、Shapiro氏は食物繊維、良質な脂肪、ポリフェノールを重視し、Ehsani氏はクルミのオメガ3含有量に特に注目している。

飲み物派には、Ehsani氏はケフィア(乳酸菌や酵母など複数の生きた菌を含む)をベースに、パイナップル、マンゴー、亜麻仁を加えるレシピを勧める。食物繊維、抗酸化物質、オメガ3を一度に摂れる組み合わせだ。オートミールも全粒穀物の供給源で、ギリシャヨーグルト、フルーツ、クルミを合わせればプロバイオティクスと抗酸化物質を同時に補える。Shapiro氏は特にりんごを勧める。善玉菌の増殖を促すペクチンが含まれているからだ。チアシードプリンのポイントは食物繊維とオメガ3による抗炎症効果。Ehsani氏は牛乳の代わりにケフィアをベースに使い、仕上げにスライスした洋梨をのせるのが習慣だという。

塩気のあるメニューでは、Ehsani氏は全粒粉ベーグルにスモークサーモンとアボカドを合わせ、オメガ3、良質な脂肪、食物繊維を同時に摂る。アボカドトーストは食パンの代わりに酸味のあるサワードウブレッドにし、アボカドと潰した豆類をのせる。もう一つの組み合わせは、発芽穀物パンにアーモンドバターを塗り、麻の実とバナナのスライスをのせ、さらにブルーベリーを添えるというもの。発芽穀物パンとアーモンドバターは食物繊維を、アーモンドバターは良質な脂肪を、麻の実はオメガ3を、ブルーベリーは食物繊維と抗酸化物質をそれぞれプラスしてくれる。Shapiro氏はカッテージチーズも勧める。種類によってはタンパク質とプロバイオティクスを同時に含むものがあるからだ。卵自体には食物繊維は含まれないが、Shapiro氏によれば血糖値を安定させ、消化をゆっくり進める良質なタンパク源だという。スプーン一杯のキムチやザワークラウトを添えるのがおすすめで、加熱していない発酵食品なら生きた菌を取り入れられる。飲み物については、カフェインを減らしたい人へ。Shapiro氏は空腹時のコーヒーは胃を刺激しやすいと注意を促し、代わりに緑茶を勧める。緑茶にはポリフェノールが含まれ、関連するレビュー研究を引用しながら、腸内フローラに良い影響を与える可能性があると話す。
Ehsani氏はこうまとめる。結局のところ大切なのはバランスだ。複合炭水化物、野菜や果物由来の食物繊維、良質な脂肪、タンパク質を同じ一食の中に揃えること。Shapiro氏も、たった一度の「完璧な朝食」にはさほど意味がないと釘を刺す。腸内フローラは長期的な食習慣によって変化していくものであり、たまに良いものを食べるより、日々続けて正しく食べることのほうがずっと重要だという。本文中の食事に関する提案はあくまで参考情報であり、胃腸の不調が続く場合は医師や栄養士に相談することをおすすめする。